アメリカはthe車社会。生活のあらゆる場面で車が使われています。そんな車社会ならではの文化、ドライブスルーなんですが、ファストフードやコヒーショップだけにとどまらないんです!
昔、酔っ払ったブリトニー・スピアーズがドライブスルー結婚で話題になりましたよね。あれ翌日離婚したんでしたっけ?他にもドライブスルー投票とかも聞いたことがあります。本当に便利なものもあれば、それはちょっと・・・というものまで本当に色々あるんですよね。
そこで今回は私が見かけたり、体験したドライブスルーの数々をご紹介します!
アメリカは超絶車社会
アメリカの車社会ではドライブスルーが浸透し、ファストフードやスターバックスなど飲食店だけでなく、クリーニングや銀行ATM、予防接種、アトラクション、学校の送り迎えなど様々な場面で利用されています。特にコロナの影響でさらに普及し、スーパーマーケットや飲食店でも導入が進みました。
ドライブスルーのメリットは、便利で、安全で、接触が少ないこと。当時は子供が小さかったので、彼らを車から降ろすことなく用事を済ませることができるのは、とても有り難かったです。
一方、デメリットは、圧倒的運動不足。本当に歩き出回ることが減ります。そして体がアジアンサイズな私にとっては、窓から届かなくて結局ドア開けるってこともしばしば。まあこれはデメリットというか、個人的な悩みやな….。あとは、コミュニケーションに不安が残ることでしょうか。特にファストフードでは正しく伝わったかなって、いつもドキドキしてました。
アメリカのドライブスルー
それではここからアメリカのドライブスルーを、個人的に驚いた順にランキング形式でご紹介していきます。
10位 学校の送迎
これは完全に想定内だったのですが、あまり日本の公立小学校では見かけない風景なので、ランキングに入れました。
子供が小学校に上がると、学校への通学方法に、bus rider/car rider/walker(スクールバス・車送迎・徒歩送迎)の3つの選択肢がありました。私としてはスクールバスに乗せたかったのですが、とにかく新しい環境に敏感すぎる息子のことを考え、最初は車送迎をしていました。
アメリカの学校といえば黄色いスクールバスを想像する方も多いと思いますが、車送迎派も結構いるんです。
学校の駐車場はスクールバスの駐車場と一般車の駐車場で分かれています。一般車の駐車場は日本の郊外にある飲食店の倍以上はある広々とした駐車場で、学校の入り口前で子供を下ろせるよう駐車場を囲うようにぐるりと歩道が設置されています。
車送迎の家庭も結構多くて、毎朝駐車場の外まで車の行列ができます。なので学校についてから子供を下ろすまで、5〜10分くらい必要でした。校舎入り口前で降ろされた子供はおのおの自分のクラスに向かいます。
帰りは車はダッシュボードの上に掲げられた「学年と子どもの名前」のプラカードを、係の方が駐車場入り口でチェックし、トランシーバーで学校内の入り口にいる先生に「誰々の車きたよ」と伝える。そして入り口でざわめく子供達を学年クラス関係なく、迎えにきた車順に並ばせて、車が入り口の前にたどり着くと、すぐに我が子をピックアップできるという方法で運営されてました。
トランシーバー係の方は、炎天下の時も雪降る時も駐車場で立ってらしたので大変そうでした。もしかしたら、そのうちICチップなんかを使った方法で、トランシーバー係はいらなくなるかもしれませんね。
9位 郵便ポスト
数は多くありませんが、郵便ポストの投函口が道路側について、道路際に設置してあることがありました。ショッピングモールの一角にもあったりしました。我が家の場合、自宅前のポストから投函することもできたので使ったことはありませんが。郵便だけでなくDHLのとかFedexのも見かけました。
8位 図書館
近所の図書館にあり、ドライブスルーは返却のみでしたが、よく利用していました。そこの図書館の投函口が縁石から結構離れていて、私は大体ドアを開けて投函してました…でも車を停めて降りて図書館に入って返却するよりもずーっと便利です!
7位 クリーニング
地味に助かるクリーニングドライブスルー。渡す時もピックアップするときも車に乗ったままでOK。ただ私が通っていたクリーニング店は、ドライブスルー窓口があるタイプではなく、ドライブスルーポジジョンに車が来たら、お店からわざわざ店員さんが小走りで出てきて、車のところまで来てくれるスタイル。しかも車を一時停車する場所がお店からちょっと離れてたので、いつもなんとなく申し訳ない気持ちになってました。(日本人気質)
6位 銀行ATM
最近はキャッシュレス化が進んであまりATMに行かなくなりましたが、それでも車移動が多かったので降りずに現金をおろせるのはとても楽でした。それに海外のATMって、店舗の中ではなく店舗の外の壁とかにある場合が多くて、すごくドキドキするんですよね。白昼でも周りを周到に確認して、よし襲ってきそうなヤツいないな、って心持ちでお金をおろすのがいつも怖かったんです。だから車に乗ったままお金を下ろせるのは、安心感がありました。
5位 スーパーマーケット
食料品や日用品のスーパーのドライブスルーはまさにコロナ禍に始まりました。流石に車に乗ってスーパーの中に入るワケじゃないです。事前にネットで注文して、ピックアップ時間を指定して、スーパー入り口付近の駐車場に停まってると、袋に詰めた状態で車まで持ってきてくれるんです。自宅に配達してくれる今で言うネットスーパーもあったんですが、送料かかるし、冷凍品頼めなかったり(日本みたいに丁寧に保冷して運ぶという発想はない)、なんかシリアルとかポテチとかボロボロで届いたりで、少々不便。だったら車でサッといってピックアップした方が早いし、余計な不安もお金もかかりませんからね!日々のことなので助かりました。
4位 遊園地
近くにあった遊園地で毎年冬にやっていました。そうです、イルミネーションドライブスルーです。要は車に乗ったままイルミネーションを楽しめるというアトラクションです。とても寒い地域だったので、車の中かからイルミネーションを楽しめるのは、よきアイディアですね(行ってないけど)。一度その地域のクリスマス市に行ったことがありますが、マイナス12℃で全く楽しめませんでした。冬の夜も楽しみたい時は、車の中からでいいです。
3位 処方箋
アメリカは完全に医薬分業なので、病院にかかって薬を出してもらう時は、近くの薬局に行く必要があります。日本みたいにクリニックの真隣に薬局があればいいのですが、そこはもちろんアメリカ。どんなにしんどくても薬局まで運転だぜ。
私が行っていた薬局は、もちろん店舗内に入って処方箋受付の窓口で受け取ることもできましたが、熱を出した子供を連れて歩かせるのは嫌だし、自分が感染の恐れがあるインフルエンザやコロナに罹ってる場合は、そもそも接触を避けなければならないですもんね。そんな時、病院に事前にドライブスルーでピックアップするわって言うと、病院が薬局に情報を送ってくれて、大体薬局に着く頃には準備してくれてました。
驚いたのは、完全に接触を避けるため、エアーシューターみたいなのでやり取りするんです。透明な管がドライブスルー窓口付近の投函口と薬剤師さんがいる場所とで繋がっていて、「薬とりにきたで〜」ってマイクに向かって言うと、はいよ〜「シュ〜〜〜…スパン!ぽん!」って薬が出てきます。一応窓口みたいなのあるんですけど、遊園地のチケット売り場みたいに机と対面板の隙間にスライダーみたいなのがついていて、そこにカードや現金を乗せてやり取りをし、会話はマイクを通してだし、極力空気接触を避けられるような仕組みになっていました。薬もその窓口の隙間から渡してくれると思いきや、その横の投函口にスパン!ぽん!って届いて、ほんまビビりました。多分感染症でない時は、対面窓口から渡してくれるはず…
2位 PCR検査
こちらもコロナ禍で登場したやつ。今でもあるんかな。コロナが始まった頃って、ちょっと熱出たり咳出たりしたら、やたらコロナじゃないかって疑ってましたよね。そもそも大混乱していた医療現場に、さらに検査を望む人が押し寄せてしまえば医療崩壊になってしまうってことで、検査のみはドライブスルーでできるようになってました。特に子供たちの学校は熱が出たらコロナではない証明を出さないと、熱が下がっても登校できなかったため、検査は必須でした。
ネットで事前に予約して、車で検査現場に行きます。現場はどこかの空き駐車場に仮設されたテント。テントは車が通れるようになっていて、そこに防御服を着た人たちがいました。そして車に乗ったまま窓を開け、我が鼻を突き出し、綿棒みたいなのでグリグリしてもらうのです。終わったらそのまま帰って、翌日ネット上のマイページみたいなところに結果が表示されるという感じでした。これは便利ですよね。
1位 インフルエンザ予防接種
栄えある1位はインフルエンザ予防接種ドライブスルーです!これはコロナ禍以前から普通に存在してます。個人的には絶対嫌なんやけどな。
私が住んでいた州は薬剤師も予防接種が打てるんです。だから薬局で予防接種をしている店舗がありました。スーパーの中にも小さな薬局が入ってたりするじゃないですか。薬剤師が打てるので、買い物ついでに打ってくわ、みたいな人もいるんです。気軽に打てるのはいいけど、注射が苦手な私はクリニックで、静かに心を整えて打ちたい派です。百歩譲って薬局で打っても良しとしよう。しかしドライブスルーは…ドライブスルーはあかんて(涙)。アタイ、打つ前も打った後も事故りそうだもん!
最初「Drive Thru Flu Shot」の旗を見た時は、意味が分からなかったんです。2〜3回その店舗の前を通ってやっと理解したというか、ああ、やっぱりそういうことなんだと事実を受け止めることができました。(Flu Shot:「フルショット」はインフルエンザ予防接種のこと)
アメリカのドライブスルーの最新情報
コロナの影響でドライブスルー需要は増え、そして企業側もあらゆることがドライブスルーでいけるやんと気づいたことでしょう。ここからはアメリカの最新ドライブスルー事情をピックアップしてみました。
ドライブスルーしかないファストフード店 ”Taco Bell Defy”
日本にもある「Taco Bell」タコベル。日本ではあまり人気が出ずに一度撤退していますが、現在は国内に11店舗あるみたいですね。メキシカン料理が手軽に美味しく食べられるので、結構好きです。
そんなタコベル、アメリカ本国では大人気ファストフードの一つなんですが、2022年に”Taco Bell Defy”なる店舗をオーブンさせました。タコベル・ディファイは4つのドライブスルーレーンを備えた店舗。というか、イートインスペースはなく、ドライブスルーだけの店舗なんです!
しかも各レーンにはそれぞれ特定の目的があり、配達ドライバー用レーン、アプリ注文用レーン、従来のドライブスルー注文用レーンが2つ。私なんか間違ったレーンに入ってパニックになりそうやわ…
さらにこのタコベル・ディファイがすごいところは、平均所要時間はわずか176.2秒で、開始から終了まで3分未満という点。スピーディなパフォーマンスを目指した店舗だそうですが、確かにすごい。早すぎる!!
注文した商品もミニエレベーターに乗っけられて2階から受け取り口に届けられるそうで、人との接触なし。店舗の外見もですが、色々と未来感がすごいですね。
Wendy’s のフレッシュAI
Wendy’s(ウェンディーズ)はマクドナルドやバーガーキングよりも古いハンバーガーショップです。赤毛のおさげの女の子がマークのお店で、ちょこちょこ見かけました。
ウェンディーズは2023年からGoogleと組んで「フレッシュAI」というAIチャットボットを導入しており、2024年には36店舗に広がってるそうです。英語とスペイン語に対応しており、これによってクルーが料理に時間をかけられるようになったり、客側の待ち時間も短縮されたそう。ウェンディーズの商品である「ミルクセーキ」を”フロスティ”と言っても通じるし、「ジュニアベーコンチーズバーガー」を”JBC"と言っても問題なし。さらに「デイヴズ ダブル」というバーガーの注文方法にはカスタマイズを含め2,000億通り以上あるそうなんですが、そんな細かい注文もこなせるそうです。
ドライブスルーのAIチャットオーダーは、最近のAI進化スピードを見れば当然の流れだとは思うのですが、IBMと組んだマクドナルドは2024年に一旦AIチャットボットによるドライブスルーオーダー開発を断念してしているので、ウェンディーズさん、なかなかやりますね。
ウェンディーズのAIチャットボットは「顧客の発言とウェンディーズのブランドイメージが合わないといった複雑な状況にも対処できるほど機敏」としています。え、ブランドイメージと一致しない複雑な状況??つまり私みたいなカタコト英語話者でも通じるんか?試してみたい。というか、アメリカでも日本語でオーダーできたり、日本でも外国語でオーダーできる時代が、もうすぐこそに見えてきましたわ!
ドライブスルー葬儀
元々は1980年代カルフォルニアで、高齢者や身体的な理由で歩くのが困難な人々が弔問しやすいように考案されたようなのですが、2020年のコロナ禍でソーシャルディスタンスを保ちながら葬儀を行うための方法としても広まりました。
ドライブスルー葬儀は葬儀場の屋内または屋外の駐車場で行われます。故人の顔が拝めるよう、ガラス窓の向こう側に蓋が開けられた棺が置かれ、車に乗りながらでも視覚的に個人を見送りやすいように工夫されています。尋問者はただ車で前を通り過ぎるだけではなく、窓を開けて手を合わせたり、静かに祈りを捧げたりして、故人とお別れをします。
さらに、ドライブスルー受付のようなブースが設置され、弔問者は車窓から花や手紙・カードを手渡すことができます。アメリカでは香典の文化はないのですが、手紙を添えたお花や果物などのギフトを贈るのが一般的。一部の場所では専用のボックスにを投函する形式もあるみたいです。
あと、アメリカでは土葬することが多いと思うのですが、流石にその後の埋葬は近親者や特定のゲストのみで行われるのが一般的だそうです。
ところで服装ってどうなるんだろう?と思い調べてみたところ、ドライブスルー葬儀でも、弔問者は一般的に喪服やそれに準じた礼装を着用するらしいです。ただし、厳格なドレスコードはなく、車内で過ごすため控えめな服装でも問題ないようです。まあ、常識的に黒のジャケットなどを着用するんでしょうね。アロハシャツはあかんやろってことです。
ドライブスルー関連の動画も人気
ところで、アメリカのYoutuberを見ていると結構ドライブスルー関連の動画ありますよね。ドライブスルードッキリとか、子供達が繰り広げるドライブスルーごっこの動画などなど。人気YouTuberのMr.Beastが制作したドライブスルー関連の動画は、子供達が好きで見てるんですけど、私も見たことあります。ちなみにMr.Beastの日本語吹き替え、おそらくプロの声優さんで話し方はとてもお上手なんですが、絶対あの顔であの声ちゃうやろと思ってるのは私だけですかね…?
ということで、ドライブスルー関連の動画をいくつかご紹介します!
同じドライブスルーを1,000回!(@Mr.Beast)
言わずと知れたMr.Beast(ミスタービースト)のドライブスルー動画。一日で同じ店のドライブスーを1,000回通るっていう動画。本気で1,000回通っています。友達も店員さんもよう付き合ってくれますね!店員さんの心広い対応が素敵。
Drive Thru Headless Prank(@MagicofRahat)
首なしコスチュームでドライブスルーに行ったら店員さんはどんな反応をするのか…?多分私も叫ぶわ。お願いだから夜に来るのはやめて!!
Mickey, Donald, and Goofy at the Drive Thru(@Brian Hull)
ミッキーとドナルドとグーフィーの声を使い分けて注文。戸惑いながらも、笑いを堪えてなんとか仕事を全うする店員さん…。仕掛け人Brianさんがとても楽しそうで、なんだか幸せになる動画。
Youtubeで「drive thru」で調べると、本当にたくさんの動画が出てくるので、皆さんもぜひ調べてみてください!
日本の珍ドライブスルー
ところで、日本のドライブスルーも実は負けてはいませんよ。日本にも驚くべきドライブスルーが存在したので、少しばかりご紹介します!
ドライブスルー公衆電話
公衆電話自体あまり見かけなくなりましたが、なんと愛知県日進市にありました!日本で1箇所しかないみたいです。需要がどれくらいあるのかわかりませんが、話題作りの需要は絶えない気がします。映えないけど映えスポットですねえ。
お米のドライブスルー
日本ならではですね!こちらも愛知県は西尾市にあります。愛知ってトヨタのお膝元だから?お米のドライブスルーは車から降りずにお米を購入できる便利なシステムで、なんと約30年前から利用されているんだとか。お米の品種は地元産の新鮮な銘柄を中心に、無洗米や新米など幅広いラインナップを取り揃えているそうです。お米、重いから助かりますね。
ドライブスルーカラオケ
「カラオケの鉄人」では、車に乗ったままカラオケが楽しめるドライブスルーサービスを提供していました。ドライブスルーで注文した後、車内で歌えるカラオケ機器を借りることができ、友達や家族とドライブしながら気軽にカラオケを楽しめるそうです。しかし・・・2024年現在、このサービスは停止している模様。時代の流れ…なんとなく納得です。
ドライブスルー温泉
兵庫県の有馬温泉がドライブスルー形式で温泉を20リットル500円で販売。しかも収益は医療従事者に寄付。自宅のお風呂に持ち帰って追い焚きすれば、自宅で有馬温泉!コロナ禍に始まったサービスなので、今現在もやっているかは分かりませんが、当時は1日10名前後が購入していたそうです。有馬温泉だけでなく、他の温泉地でもこのサービスをやっていた模様。全然知らんかった…
ドライブスルーの内容がなかなか日本ならではでしたね!私がたまに行く山間にはドライブスルー水採があり、その山間で採れる湧き水が500円で採り放題なんです。車に乗ってそのまま駐車場に入ると、各駐車場に蛇口が付いていて、そこからみんなたくさんのタンクやらペットボトルやらに汲んで行くんです。正確にはドライブ「スルー」ではないんですが、車で乗り付けて、駐車場の蛇口から水を汲めるって便利ですね。お水も重たいですから。
まとめ
アメリカではドライブスルーが生活に欠かせない存在なんですよね。なのでドライブスルー文化はきっと今後も進化し続けるでしょう。ただ、AI化が進んで人と人との対応は減っていくと、職も少なくなりますし、人との何気ない交流も少なくなりますし、先ほどご紹介したようなイタズラ動画も撮れなくなると思うと少々寂しい気がします。
で、ここまでドライブスルーについて語っておきながら、ほんま今更なんですが、実はわたくし日本では自転車愛用者なんです。なので、チャリンコスルーの発展も切に願っております。特にファストフード店さん、自動車レーンの隣にチャリンコレーン作ってみませんか?
では!
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